息がシュカシュカ
声のレッスンでは主に息の出し方、使い方と滑舌に重きを置いています。
しかし小学生のレッスンは少し勝手が違ってきます。
どんどん体が成長するので、毎回違うことを言うことがあるのです。
小学生も4年生くらいまでは理屈を言うよりもマネをしてもらいます。
さすが若いからか、すぐできるようになるんですよね。
高学年になると少しずつ理屈を取り入れた方が理解と実践が早いように感じます。
小学校の6年間というのは本当に驚くほど成長します。
その中で声を出すのに大きな壁がやってきます。
それは、歯が抜ける ことです。
順調な成長の過程なので喜ばしい事ですが、
息が抜ける抜ける。
子供の頃、前歯が抜けて
「口開けなくてもおうどん食べられる〜」
なんてやりませんでした?
そうなのです。
口を開けなくても隙間があるのです。
この間、普段話す声はもちろん、歌を歌っても
なんだか音色がそろわないということも出てきます。
歯がしっかりある子とは全然違う声を出すのです。
これは決して悪いことではないと私は考えています。繰り返しますが、順調な成長の過程だからです。
問題はその後の歯並びです。
アゴが小さかったり、歯が多かったりなど様々な問題できれいに並ばない場合、歯列矯正などで整えられますが、ある程度年齢を経ると歯茎が痩せてきたりして隙間ができてくるのです。
そう、今日の本題は 大人の歯並び でした!
40代も半ばになると、食べ物が歯に挟まる人が増えてきます。
同時に「何故だかうまく声が出ない」という人も多くなってきます。
管楽器の演奏家はこうなる数年前に、もう一度歯列矯正をするといいます。
隙間ができ、歯並びが変わることで楽器の音色が変わってしまうからだそうです。
今まで出ていた音がある日突然出なくなることもあるそうで、それは死活問題です。
ここまでではなくとも、話す声が変化するのは当然なわけです。
隙間ができて息が抜ける声になると、よほどそれを活かした声を意識しない限り、ずいぶんとくたびれた声になります。
隙間だけでなく抜けてしまうと
「口を開けずにおうどん」状態です。
声を出すには体全体を使います。
どこかに不具合が生じると、そこをかばうために他に無理がかかります。
年齢と共に体が衰えるのは自然なことです。
それに抗うのではなく、状態に意識を向け、気遣ってみてはいかがでしょうか?
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好きになんてできるか!
今では歌をやって声の研修をしている私が、声が出せなかった時期があります。
学生の頃、仕事を始めてからでしょうか。
その頃ボチボチ演奏する仕事を色々なジャンルからいただいて、クラシックしか知らない私は目を白黒させながらも刺激的な環境にいることが嬉しかったです。
声を楽器、商売道具としていますから、何でもできるという訳ではなく、向き不向きもありました。
大好きな曲やジャンルでも歌いこなせないことは出てくるのです。
自分の身体能力に絶望したり、希望をもったり、今思うと振り回されっぱなしで大変だったなぁと思います。
そんな中で当時どこへ行っても必ず同じことを言われました。
「もっと好きにやりなよ。面白くないんだよ。
品がいいのは見た目だけで充分だからさ」
これには本当に参ってしまいました。
面白い演奏って何?
下品にやれってこと?
この人の思う面白い、下品って何だろう?
それまで学校生活を含めて
「しっかり教わる」
「言われた通りにやる」
「試験などで教わったことを言われた通りにできているか確認する」
ばかりやってきたのです。
そうすれば怒られないし、場合によっては褒められちゃうし。でもそんなことは滅多にないですけどね。
「面白く」「品よくなくていいから」
「好きにやりなよ」
ここまでやってきた事が全て否定された気分でした。
「どのようにしたら良いのでしょうか?」
(なんてお利口さんでおバカな質問なの⁈)
と聞いても
「知らないよ。俺はアンタじゃないから」
しか返ってきません。(そりゃそうだ)
譜読みは早い
音程は正確
声はきれい
の私があと身に付けるべきものは表現力だ!という結論を出したのですが、文字通り悪戦苦闘でした。
表現することは立場を守るのとは正反対です。
丸裸になって評価されて、二度と浮上できない気がしたのです。
そのうち人と話ができなくなりました。
そしてとうとう歌を唄うにも声が出なくなりました。
「私には向いていないんだな」
なんて自分を慰めてみたりしても辛かったですね。
声が出せなくなって、表情も乏しくなる、身体も硬直したまま、ピアノも弾けなくなりました。月の半分は高熱を出すようにもなりました。
そんな状態が1年くらい続きました。
しぶといですねー。
ある日、高熱出しながら歌う機会がありました。クラクラしていてどんな演奏だったかわかりません。
でも歌いながらいっぱい汗をかいて、だんだんと頭の中がクリアになるのがわかりました。
その時初めて「演奏が楽しい!」と思えたのです。
どう歌ったかわからない、汗でドロドロになったメイク、体に張り付いて汗染みだらけのドレス、全てがイマイチの中、
「なんだよ、こういう演奏もできるじゃん」
と声をかけてもらったのです!
「好きにやり放題の演奏だったね」
とも言われ、ポカーンとしてしまいました。
熱も下がっちゃいました!
(あの時のサックスとギターの方ありがとう!)
表現しきれた幸福感は、立場にしがみつく苦痛を遥かに上回ります。
「好きにどうぞ」は「今いる場所から抜け出なさい」という意味だったのだと後になってようやくわかりました。
もう少し丁寧に言って欲しかったなぁと今は思いますが、当時はどんなに丁寧に言われてもわからなかったでしょう。
あれで充分だったのです。
声が出るということは、自分を表現すること。
表現することは、自分にダメ出しすることではありません。
優等生でお利口さんな人が本当に多いからこそ
好きにやっていい!のです。
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カミカミ星人出た!
「メンタルを鍛えて弱い自分を克服しましょう!滑舌よくしましょう!」
スピーチ、プレゼン、会議、挨拶など人前に立つと噛んでしまうとお悩みの方への改善策としてこんな事がよく言われます。
そうしたところで本当に改善するのでしょうか?
私は嘘ではないけれど、本当でもないと思います。人前で噛んでしまうメンタルは弱いのでしょうか?
声と脳の専門家、山崎広子先生の本には、「噛む」には種類があるとあります。
読み間違え と 言い間違え です。
読み間違えは文章を目で追うだけではなく、音読する事で徐々に改善されていきます。
言い間違えは「言いづらい言葉でないのに間違える」というのがレッスンをしていても一番多いと感じます。
普段はスムーズに話ができるのに、原稿を読む、改まった場面では噛んでしまうのです。
この場合、滑舌の練習をしても改善はあまり期待できません。
私がレッスンで皆さんを拝見していると、改まった場面で声を出すことで気持ちも体も緊張して、普段の声よりも高くなります。
高い声になるということは、喉頭に力を入れて、上に引き上げ、声道を短くして発声している状態です。
それが舌の筋肉にも影響して動きが鈍くなり、噛んでしまうのです。
緊張からの言い間違いですから、こういう方の場合、滑舌の練習をしてもあまり意味がないのです。
何でもない雑談の延長に改まって話を始めると声が緊張から高くなることもなく、言い間違いが減っていきます。
私が学校の試験やオーディションで声を出す前は、いわゆる発声練習ではなく、おしゃべりをしていました。その方がスムーズに歌詞や言葉が出てくるからです。
「この直前によくしゃべるねー」
なんて言われましたが、こういう理由からなのでいいんです!
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届く声、伝わる声とは
私は音楽大学で声楽を学びました。
声楽というとどのようなものをイメージするでしょうか?
太った人が高い声で歌い上げる
オペラとかいう芸術っぽいことをしている
笑ってしまうような妙な歌い方をする
私の受験前のイメージはこんな感じでした。
ピアノはやっていたものの、受験を決めてから歌を始めたので貧相なイメージではありますが、本当のところ多くの方がこんな風に思っているのではないでしょうか。
あの歌い方を見よう見まねでやってみた、指揮者を凝視してユラユラと体を揺らす変な合唱に
時々遭遇します(ごめんなさい!)
声楽で学ぶことは何でしょう?
もちろん音楽的な解釈、表現、テクニックではありますが、もっと根本的な「伝える」「届く」という事を学びます。
姿勢、顔の角度、表情、手振り身振り、声の響き、などなど全て「伝える」「届く」ためのものです。
歌の内容はほとんどが恋愛です。
愛の喜び、愛の苦しみを「何もそこまで」というくらい歌い上げます。
そうしないと先生に怒られるし、単位はもらえないし。
喜びや悲しみに感情移入しすぎてはとても歌えません。
どこか冷静でいながら伝えるのです。
歌には歌詞がついています。
日本語をはじめ、イタリア語、ドイツ語、フランス語辺りは基本です。
どうすれば声が届くのか、言葉が伝わるのかを繰り返し演習します。
ここまで声楽について長々と書いてきましたが、これは人との会話が元になっています。
誰かとの語らい、心の叫びです。
声楽は舞台上で演奏するからこそ、ああいう声を出しますが、普段の話し声にも当然使えます。ただし、少し応用させて。
音響機器でマイクが使われるようになると、声楽のような発声ではうまくいかない場合も出てきます。電話なども同じです。
広い部屋、狭い部屋、大人数、1対1での会話、マイクのある無し、など場面によってどんな声でどのように伝えると届くのか、少し意識するといつものご自身の声と話し方が変わります。
声楽の人は楽天的な人が多いです。
私は自分を楽器にして伝えること、届けることができるという自信からではないかと考えています。
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ダメだと思う前にやってみよう!
「ここはやるぞ!」
と意気込むとなぜだか声が出ずらくなる方がいます。
こんなにやる気はあるのに…
こういう時に限ってどうしてだろう?
自分はダメだなぁ
原因を考えているうちに、自分を責める方向へ行ってしまうことも多いようです。
このように、意気込むほどに声が出ずらくなるのは、力が入り過ぎているのです。
「そうか!力を抜くんだ!」
いえいえ、それでは余計に力が入ってしまいます。そもそも力が入っているところに更に力を入れるのですから、声が固くなり出しづらいのです。
良い声を出すには腹式呼吸で
とよく言われます。
腹式呼吸って一体どういう呼吸か説明できますか?
寝ている時は腹式呼吸
息を吸った時にお腹が膨らんで、吐いた時にお腹がへこむ呼吸
どれもまぁ正解ではあります。
息を吸ってお腹が膨らむのはお腹に空気が入ったからではありません。
空気は肺に入ります。
何が起こっているのかというと、お腹が膨らむことで筋肉が脱力しているのです。
この脱力がどのくらいできたかで、次にお腹に力を入れて強く響く声が出せるのです。
脱力→力(緊張)→脱力→力(緊張)
を繰り返しているのが腹式呼吸です。
筋肉は収縮した時に力を発揮します。
寝ている時に腹式呼吸なのは力が抜けているからです。
緊張状態が続くと力が抜けずに呼吸が浅くなり、入るべき力が入らずに声が出ずらくなります。「やるぞ!」の意気込みも声が出ずらくなるということは、ネガティブな緊張状態であるといえます。
ポジティブな「やるぞ!」ならよく通りよく響く声となるのです。
何もご自分をダメだと思わなくて良いのです。
力の抜き方がわかれば変わるのですから。
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最後まで残るもの
「副業で家庭教師を始めました。だんだん人数が増えてきたので授業動画を作ろうと思っています。」
「税理士も待っているだけでは仕事来ませんからね。こちらから動画配信して必要性を感じてもらおうと思います。」
最近は企業にお勤めの方達の副業や動画配信というのをよく耳にします。
YouTubeを観てみれば、あらゆるジャンルの動画が無数にあり、配信者も小さな子供から大人まで年齢に関係ないようです。
しかも全世界の動画を探せるのです。
私も「肩凝りストレッチ」や「旬のメイク」なんか大いに参考にさせてもらっています。
人気のあるYouTuberは動画の枠を超えて活躍しています。
小学生のなりたい職業にYouTuberが入るのも時代だなぁと思います。
ほんの20年前にはなかった職業です。
夢がありますね。
動画を観ていると、とりあえず撮ってみたもの、丁寧に作り込まれたもの、とにかく玉石混合あります。
やはり丁寧に作られた動画はこちらも落ち着いて観ていられます。
丁寧に、というのは内容はもちろん、照明や音声、出ている人の表情や身だしなみを含みます。
「より観やすく、聞きやすい動画が良いのはわかるけど、しゃべりにどうも自信がなくて…」
という方へのレッスンが増えています。
たかが5分もないほどの動画にも、声をどのように届けるか、伝わる声、内容の起承転結、目線、表情など普段のお仕事で必要なものとほぼ同じです。
在宅ワークやAI、ネットによって仕事のやり方はどんどん変化しています。
それでも私は最後まで声によるコミュニケーションは残ると考えています。
それは「人対人」だからです。
届けたい、伝えたい相手がいる以上、決して不要になる事はないのです。
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やって見せる力強さ
先日、30代前半の男性と一緒に資料作成しました。
これまで資料作成なんてしたことのない私は、せめて足手まといにならないようにと思っていました。
でもやったことないので、何に気をつけないといけないのかわからず。
それなら少しは気の利いたことが言えるようにしようと、資料内容を頭の中に叩き込んで臨みました。
それから、どのような資料にしたいのかのイメージを持ちました。
その男性は、PC操作のわからない私に全て自分でやって見せてくれました。
途中、私の意見を聞いてくれながら。
「そういうのなら、ここから図形を選んで…」
そして必ず聞いてくれるのです。
「これはあなたのイメージに近いですか?」
お陰様で最短時間で仕上がり、内容はお互い同じ認識で理解でき、私は今後、自分で資料作成ができるようになりました。
「とにかくやってみて」「自分でやらなきゃ覚えないよ」などはよく聞く話ですが、最初の一歩が出せない人には雲をつかむような話。
この段階で萎縮して動けない人は多いのです。
「やって見せてくれる」ことの何という力強さ!
そのような姿勢を示してくれるが故に、こちらも出来ることを出来る限り準備して臨めました。
子供にも大人にも「やって見せる」のはめんどくさいし、時間がかかるもの。
でも「好きにやらせてみる」ましてや「怒鳴る」なんて全然違う。
どちらも無責任な話な話です。
ここで失敗してしまうと、「失敗は悪」という
認識になり、チャレンジするのが怖くなります。
その男性、資料作成前は私のイメージしていることがイマイチわからなかったと話してくれました。
だから得意なPC操作で、私に応えようとしたと。
人はみんな、自分を大事にしてもらいたいし、
受け入れてもらいたいし、尊重してもらいたいと思っています。
相手にどうしたら、そう思っていることが伝わるのか?
どうしたら相手に自信を持ってもらい、お互いに足並みそろえて行動できるのか?
それらをどのように示すのか、今回この男性がやって見せてくれました。
人って何をしてくれたかよりも、どんな気持ちにさせてくれたかが残るのですね。
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